自宅ラテ探求記|マキネッタと抽出調整ログ

マキネッタ(モカポット)で淹れた濃厚なコーヒーは「モカ」と呼ばれます。私はこの「モカ」とミルクを合わせたドリンクを、親しみを込めて「モカ・ラテ」と呼んでいます。「モカ・ラテ」は自宅で簡単に作ることができるうえに、エスプレッソを使ったカフェ・ラテにも負けない美味しさがあります。このブログでは、「モカ・ラテ」のレシピやレビューを通して、あなたの日常を少し豊かにするマキネッタの旅をご案内します。

【モカ・ラテの考え方③】今日の一杯を昨日より美味しく。マキネッタで再現性を楽しむための工夫

 イタリア旅行中に一目惚れでマキネッタを購入したmoka_latteです。

 今回も「モカ・ラテの考え方」シリーズをお届けします。第三弾となる今回のテーマは「抽出方法」です。「自宅で楽しむ贅沢なモカ・ラテ」を作るうえで、マキネッタでの抽出時に私が大切にしているのは「再現性」です。あまり細かいレシピが見当たらないマキネッタにおいて、私が再現性を高めるために行っている工夫をご紹介します。

 

​1.「大雑把でいい」の、その先へ

​ マキネッタは、家庭で手軽に濃いコーヒーを楽しめる素晴らしい道具です。「細かいことは気にせず、ラフに淹れるのがいい」という意見もよく耳にしますし、そうした気軽さはマキネッタの魅力の一つだと感じています。

​ しかし、「今日の一杯を、今までで一番のモカ・ラテにしたい」と感じることがあるなら、少しだけロジカルに向き合ってみるのも、面白い選択肢かもしれません。狙い通りに美味しく淹れたと言えるようになったら、自宅ラテが一層楽しく、贅沢なものになるはずです。

 

​2.変数を整理して「味の解像度」を上げる

​ マキネッタは、「変数(味を変える要素)」が多い道具です。

豆の量 コーヒーの濃度とお湯が通る際の抵抗に寄与
挽き目 抽出効率と内部圧力に直接影響
初期湯温 トータルの抽出時間に影響
火力 抽出スピードに影響

 これらが毎回バラバラだと、せっかく美味しい一杯が淹れられたとしても、なぜ美味しかったのかが分かりません。

​ そこで私が行っているのはのは、「変数を一つに絞り込み、他を全て固定する」という考え方です。

 

​3.挽き目以外のすべてを「固定」する

​ 味を意図通りに調整するために、まずは固定する要素を決めます。私の場合は、豆の量・湯量・温度・火力を「基本の数値」として固定します。

(具体的な数値については、こちらの基本レシピを参照)

​ こうして土台を固めることで、味を調整するのは「挽き目(グラインドサイズ)」という一点に集約されます。

 

​4.挽き目で味を「追い込む」プロセス

​ 他の条件を固定していれば、あとは挽き目を変えるだけで、狙った味に近づけていくことができます。例えば、以下の通りです。

  • ​雑味やエグみが気になる時: 過抽出の可能性。挽き目を少し「粗く」して抽出効率を落としてみる。
  • ​甘さが物足りない時: 未抽出の可能性。挽き目を少し「細かく」して抽出効率を上げてみる。

​ 以前、12月のまとめ記事でも触れましたが、僅かな挽き目の違いで同じ豆でもチョコレート感の出方が劇的に変わるポイントが見つかることがあります。

​ 前回の結果を今日の抽出にフィードバックし、理想の味へじわじわ近づけていく。このプロセスが、自宅ラテをより楽しく、贅沢なものにしてくれます。

 

​5.まとめ:日常の道具を、自分なりの「精密な一台」に

​ もちろん、ラフに淹れる楽しさを否定するつもりはありません。

 ただ、少し余裕のある時に、この「再現性」を意識した淹れ方を試してみてください。自分が意図した通りにモカ・ラテの味を調整できた時、マキネッタは自分なりの精密マシンへと進化します。

 「モカ・ラテの考え方」シリーズとしてお届けしてきた、哲学、豆選び、そして抽出。これらを組み合わせた先にある一杯が、皆さんにとって何物にも代えがたい「贅沢な時間」になることを願っています。

​ さて、理論編はここまで。次回からは、今回お話しした「追い込み」の過程で出会った、具体的な豆のレビューや日常の試行錯誤を、またゆったりと綴っていきたいと思います。

 

関連リンク

〈モカ・ラテの考え方シリーズ〉

【モカ・ラテの考え方①】モカ・ラテとは何か?エスプレッソとの比較を乗り越える

【モカ・ラテの考え方②】マキネッタなら深煎り?モカ・ラテに合うコーヒー豆とは

【モカ・ラテの考え方②】マキネッタなら深煎り?モカ・ラテに合うコーヒー豆とは

 イタリア旅行中に一目惚れでマキネッタを購入したmoka_latteです。

 私はこれまでに「自宅で楽しむ贅沢なモカ・ラテ」をテーマとした記事を投稿してきました。前回から始まった「モカ・ラテの考え方」シリーズ、第二弾のテーマは「コーヒー豆選び」です。

 豆選びは非常に悩ましいところだと思いますので、考え方の参考にしてください。

 

​1.結論:どんな豆でも、美味しい「モカ・ラテ」は作れる

​ マキネッタといえば深煎り豆で濃厚なコーヒーを作る道具というイメージが強いかもしれません。しかし、私がモカ・ラテ作りで様々なコーヒー豆を試した結果得られた結論は、意外なものでした。

​ 「シングルオリジンでもブレンドでも、浅煎りでも深煎りでも、どんな豆でも、美味しいモカ・ラテは作れる」ということです。

 マキネッタは、豆が持つポテンシャルを濃厚な「モカ・コーヒー」として凝縮してくれます。そこに温かいミルクが加わることで、ブラックとは違った新しい表情が引き出されるのです。

 

​2.豆選びのガイドマップ:構成と焙煎度

​ 「どんな豆でも良い」とは言えど、豆の選び方によって、モカ・ラテの味わいは劇的に変化しますので、豆選びのガイドマップを作成しました。

​ まずは、ベースとなる「豆の構成(どんな豆か)」を選びます。

豆のタイプ 分類 モカ・ラテとしての表情 キーワード
シングルオリジン 産地別 唯一無二の「個性」が際立つ 驚き、発見、テロワール
ブレンド 配合 調和の取れた「安心感」 定番、安らぎ、バランス

​ 次に、味わいのトーンを決める「焙煎度」を選びます。 ​

焙煎度 モカ・ラテとしての表情 具体的なイメージ(体験から)
浅煎り 酸味の角が取れ、心地よいフレーバーが抜ける フルーティなミルクチョコレート
中煎り フレーバーとコクの絶妙なバランス 浅煎りと深煎りのいいとこ取り
深煎り 濃厚な重厚感と、とろけるような甘み 芳醇なビターチョコレート

 例えば、ブレンドの深煎りを選ぶと「王道」のラテに、シングルオリジンの浅煎りを選ぶと「個性」が光るラテになります。

 

3.ミルクとの調和を楽しむ​

 ここで、私の印象に残っている、対照的な2つの体験をご紹介します。

【浅煎り×ブルンジ】

 本来はシトラス系のきれいな酸味を持つ豆ですが、モカ・ラテにすると、ミルクの甘みが酸味の角を優しく包み込みます。鼻に抜ける香りは、まるで「オレンジピール入りの軽やかなミルクチョコレート」でした。​

【深煎り×エチオピア】

 こちらは対照的に、深煎りならではの重厚なコクとエチオピアの果実味が溶け合い、「レーズンフレーバーのチョコレート」のような芳醇な一杯になりました。​

 

 浅煎りの酸味はまろやかになり「心地よいフレーバー」が前面へ、深煎りの苦味は「とろけるようなコク」へ。どちらも、マキネッタだからこそ引き出せる贅沢な表情です。

 

​4.まとめ:境界線をなくして、今日の気分で選ぶ

​ 「この豆はドリップ用だから」「マキネッタには合わないから」と、自分で境界線を引く必要はありません。

​ 家にある豆の中から、その日の気分で直感的に選んでみる。そして、丁寧にモカ・コーヒーを淹れ、温かいミルクと合わせる。その一歩が、あなただけの贅沢な「モカ・ラテ」を探求する始まりになります。

​ 次回は、これらの豆たちの魅力を最大限に引き出すための「抽出の考え方」について詳しくお話しします。

 

関連リンク

〈モカ・ラテの考え方シリーズ〉

【モカ・ラテの考え方①】モカ・ラテとは何か?エスプレッソとの比較を乗り越える

〈モカ・ラテの基本レシピはこちら〉

【基本レシピ】【エアロプレス】【ブラックコーヒー】一人の贅沢。私のベースとなる抽出方法とマキネッタとの違い

【モカ・ラテの考え方①】モカ・ラテとは何か?エスプレッソとの比較を乗り越える

 イタリア旅行中に一目惚れでマキネッタを購入したmoka_latteです。

 私はこれまでに「自宅で楽しむ贅沢なモカ・ラテ」をテーマとした記事を投稿してきました。これまで私は、マキネッタで淹れたコーヒーで作るラテを、あえて「モカ・ラテ」と呼んできた理由については詳しく語ってきませんでした。

 前回の記事でモカ・ラテの魅力を再確認したところで、今回は私が「モカ・ラテ」という名前に込めた思いと、その定義を紐解いていきます。

〈前回の記事はこちら〉

【比較】ラテを作るなら?マキネッタ vs. エアロプレスの違いを徹底検証

 

1.私が抱いた違和感。マキネッタはエスプレッソの「劣化版」?

 マキネッタの使い方を調べていた時に良く目にしたのは「圧力が低いからエスプレッソではない。だけど濃厚で美味しいコーヒーが淹れられる。」という内容でした。こうした解説には「マキネッタはエスプレッソの劣化版である、本物ではない」というニュアンスが根底にある気がして、もの悲しい気持ちになったのを覚えています。

​ しかし、マキネッタで抽出された「モカ・コーヒー」がミルクと調和して美味しいラテが生まれる経験を重ねるたびに、私はマキネッタとエスプレッソを比較する必要はないと考えるようになりました。

 

2.「圧力差」は個性。抽出方法の違いをカフェ・オレに学ぶ

 たとえば、ドリップコーヒーにミルクを合わせた「カフェ・オレ」を、エスプレッソより圧力が低いからといって「カフェ・ラテの劣化版」と呼ぶ人はいないはずです。

​ なぜなら、どちらもコーヒーとミルクを最適なバランスで合わせることで、それぞれに異なる美味しさを味わえる飲み物だと私たちは知っているからです。

​ マキネッタもそれと同じではないでしょうか。

​ 直火の蒸気圧でコーヒーを淹れるマキネッタは、ドリップともエスプレッソとも異なる1つの抽出道具・方法に過ぎません。もちろん、歴史的には「家庭で手軽にエスプレッソのような味を」という思いからマキネッタが誕生したことは理解しています。しかし、圧力が高いか低いかという数値に目を向けるのではなく、マキネッタそのものに向き合い、美味しいラテを作れた経験を重ねるうち、私の中から比較の意識は自然と消えていきました。

 

3.お店のカフェ・ラテ vs. 自宅のモカ・ラテ。私がモカ・ラテに確信を得た瞬間

​ この考えに確信を持った、ある経験があります。

​ お気に入りのロースタリーの1つである「Single O Japan」で買った豆を使い、自宅で自分なりの調整を重ねたモカ・ラテを飲んだ数日後、同じ豆を使ったお店のカフェ・ラテを味わう機会がありました。

​ プロが淹れる一杯を口にした瞬間、私は「家で淹れたあの一杯も、この豆の個性をしっかり引き出せていた。お店の味に負けていない」と感じました。

​ この体験は、高価な専用マシンがなくても、マキネッタという道具とコーヒー豆に丁寧に向き合うことで、豆本来の魅力を最大限に引き出した「贅沢な一杯」は作れるという決定的な確信を私にくれました。

 

4.自宅でラテを楽しむ最適解。「自宅で楽しむ贅沢なモカ・ラテ」

 こうした経験を経て、マキネッタはエスプレッソの代用品などではなく、お気に入りの豆の個性を、家庭というフィールドで、ラテにして最大限に楽しむための最適解だと、私は思っています。

​ そして、マキネッタで淹れたモカ・コーヒーを使うラテを「モカ・ラテ」と呼ぶことで、エスプレッソを使うカフェ・ラテとの比較から抜け出し、独自の魅力を探究していきたいと考えています。

 

5.まとめ

​ コーヒーの楽しみ方に正解はなく、とても自由なものです。

​ もし、以前の私と同じように「本物ではないのか?」とどこか違和感を感じている方がいたら、一度その感覚を脇に置き、マキネッタとだけ向き合ってみるのはいかがでしょうか。

​ 自分なりに豆のポテンシャルを引き出したその一杯は、きっと何物にも代えがたい、あなただけの「モカ・ラテ」になってくれるはずです。

 

関連リンク

〈モカ・ラテの基本レシピはこちら〉

【基本レシピ】【モカ・ラテ】モカの抽出レシピとモカ・ラテの黄金比

【比較】ラテを作るなら?マキネッタ vs. エアロプレスの違いを徹底検証

 イタリア旅行中に一目惚れでマキネッタを購入したmoka_latteです。

 最近はエアロプレスでのブラックコーヒーの探究をしてきましたが、並行して進めていた「エアロプレスで作るラテ(以降、エアロプレス・ラテと呼びます)の基本レシピ」作りに一つの区切りがつきました。

​ しかしながら、結論を先に述べると、エアロプレスの抽出でペーパーフィルターを用いる今の私の環境では、満足いくレシピにはたどり着けませんでした。

 そこで、今回はエアロプレス・ラテを作る際に試した中で最も濃厚な抽出を狙ったレシピの概要を記載した上で、私の原点であるモカ・ラテ(マキネッタ)との違いについてまとめます。

 

1.エアロプレス・ラテ用濃厚抽出レシピ

 ミルクに負けないベースを作るため、普段のブラック用(挽き目13.x)とは全く別次元の設定を試しました。

豆の量 14.0g
挽き目 Varia VS3:4.0(極細挽き)
湯量 70mL
湯温 沸騰直後のお湯
抽出プロセス 2分以上の浸漬後、 体重をしっかりかけて一気に抽出
ミルク量 120mL
フィルター ペーパーフィルター 1枚

 この条件はかなり「濃厚」側に振り切っています。また、モカ・ラテの基本レシピと比べても1人分の豆量は多く、挽き目は細かく、ミルク量は少なく調整しています。ここまでやっても満足いくエアロプレス・ラテにはなりませんでした。

なお、比較対象とした〈モカ・ラテの基本レシピ〉はこちらです。

【基本レシピ】【モカ・ラテ】モカの抽出レシピとモカ・ラテの黄金比

 

2.味・フレーバーの比較

 エアロプレス・ラテとモカ・ラテの味の特徴を比べると、以下の違いがありました。

  • エアロプレス・ラテ:豆の個性的なフレーバーはミルクで包み隠され、ライトで軽い味わい。どちらかと言えばカフェ・オレに近い。
  • モカ・ラテ:ミルクと合わせても豆の個性的なフレーバーをしっかり感じられ、かつコクのある味わい。カフェ・ラテに近い。

〈モカ・ラテ〉

〈エアロプレス・ラテ〉

3.考察:違いが生じた原因

 この違いの原因は、抽出構造における「圧力」と「フィルター特性」にあると考えられます。

①圧力の差

  • ​マキネッタ:密閉されたボイラー内の蒸気圧により、約1.5〜2.0気圧ほどの圧力がかかると言われています。これにより細かく挽いたコーヒー粉から効率的に成分を抽出することが可能です。
  • エアロプレス:体重をかけて懸命にプレスしても、実は0.3〜0.8気圧というレベルのようです。

 エアロプレスでは極細挽きにして抽出効率を高めようとしましたが、この圧力差による抽出効率差を埋められなかったものと考えられます。

②フィルター特性

  • マキネッタ(金属フィルター):コーヒーのオイル分と微粉を通すため、ラテにしても負けないコクや香りのコーヒーを抽出可能だと考えられます。
  • エアロプレス(ペーパーフィルター):オイル分を吸着することでクリアな味を作り出すことが得意です。このクリアなコーヒーのもつ繊細なフレーバーは、ミルクと合わせたときには包み隠されてしまうと考えられます。

今回の比較の限界

 私はエアロプレス用の金属フィルターを持っていません。このため今回の比較は、圧力差×フィルター特性の複合要因が反映されたものです。もしエアロプレス用の金属フィルターを使っていれば、異なる結果が得られる可能性はあります。

 

4.結論:ラテにするなら?

 私は「家庭で楽しむ贅沢なラテ」を目指しています。この目標に照らすと、豆の個性を感じられコクのある味わいになる「マキネッタ」に軍配が上がります

 ただし、これはエアロプレスが劣っているということではなく、得意分野が異なるだけです。ブラックコーヒーを楽しむ場合には、繊細な香り、甘さ、質感を自在に調整可能なエアロプレスに軍配が上がります。

 今回の検証でモカ・ラテの美味しさを再確認することができました。この経験を踏まえて、次回からは「私のモカ・ラテとの向き合い方(考え方)」をシリーズでまとめていきたいと思います。

 

今回の比較に用いたコーヒー豆

焙煎所 マメココロ
産地  グアテマラ ニューオリエンテ
精製方法 ナチュラル
焙煎度 浅煎り
味わいの特徴 甘酸っぱいイチゴの香りと酸味、ブルーベリーやチョコレートのようなコクのある甘み

 

関連リンク集

〈モカ・ラテの基本レシピはこちら〉

【基本レシピ】【モカ・ラテ】モカの抽出レシピとモカ・ラテの黄金比

〈エアロプレス(ブラック用)の基本レシピはこちら〉

【基本レシピ】【エアロプレス】【ブラックコーヒー】一人の贅沢。私のベースとなる抽出方法とマキネッタとの違い

【レビュー】【エアロプレス】【ブラックコーヒー】ケニアのジューシーな酸味を引き出す調整と、アップルパイとの相性

​ イタリア旅行中に一目惚れでマキネッタを購入したmoka_latteです。

 Single O Japanの「ケニア Thunguri精製所」検証、第2回目をお届けします。

 前回の検証(挽き目13.8)では、驚くほどのバランスと心地よい「トロミ」に出会えました。今回はそこからさらに0.1だけ粗くして「挽き目13.9」に設定し、ケニアらしいフレッシュな果実味を引き出すことを狙いました。

 

​1.豆の基本情報

焙煎所 Single O Japan
産地 / 精製所 Kenya, Karatina / Thunguri精製所
品種 K7, Ruiru11, SL28, SL34
標高  1,600m
精製方法 Washed
焙煎度 浅煎り

 

​2.抽出データ

豆の量 12.0g
挽き目 Varia VS3:13.9 (前回より0.1粗く)
湯量 200g
湯温 90℃前後のイメージ(適宜調整)
抽出時間 計3分30秒ほど

 

3.レビュー

0.1の差ですが、味わいのベクトルは明確に「クリーン」へとシフトしました。

  • ​フレーバー・味: 前回よりもジューシーさが増した印象。酸味がよりフレッシュで、明るい果実感を強く感じた。
  • 甘み:クリーンさが増したものの、豆本来の甘みも十分に感じられた。
  • 質感:挽き目13.8で感じられた「トロミ」はやや影を潜め、スッキリとした口当たりに。
  • 総合:ケニアのWashedらしい爽やかさが際立つ一杯だった。

 

4.考察と次回への展望

 今回の挽き目13.9での抽出は、ケニアのWashedらしい爽やかさを楽しめたと思います。前回(挽き目13.8)より質感はすっきりしたものの、フレッシュな赤い果実感とクリーンな後味が引き立ちました。

 特筆すべきは、アップルパイとのペアリングです。偶然の組合せでしたが、パイの中のリンゴが持つ甘酸っぱさと、コーヒーのフレッシュな酸味が同調し、お互いを引き立て合う至福の組み合わせとなりました。

​ 次回はどこまで甘さを引き出せるかという観点で、より細かく挽いて検証します。前回、今回の結果と比較することで、このケニア豆の「スイートスポット」を掴みたいと思います。

 

関連レシピ・レビュー

〈私のエアロプレス基本レシピはこちら〉

【基本レシピ】【エアロプレス】【ブラックコーヒー】一人の贅沢。私のベースとなる抽出方法とマキネッタとの違い

〈Single O Japanの「ケニア Thunguri精製所」検証1回目はこちら〉

【レビュー】【エアロプレス】【ブラックコーヒー】挽き目13.8で開く、ケニア特有のジューシーな果実味

【レビュー】【エアロプレス】【ブラックコーヒー】挽き目13.8で開く、ケニア特有のジューシーな果実味

 イタリア旅行中に一目惚れでマキネッタを購入したmoka_latteです。

 今回から新しい豆を迎えて、エアロプレスで淹れるブラックコーヒーを探究していきます。その新豆はSingle O Japanのケニアです。

​ 前回のLIGHT UP COFFEEのブラジルでの探究では、挽き目のスイートスポットは13.6〜13.7でした。今回の新豆はケニアなので、力強い酸と果実感が特徴的だと推測し、まずは前回のスイートスポットより僅かに粗めの「挽き目13.8」からスタートしました。

 

​1.豆の基本情報

焙煎所 Single O Japan
産地 / 精製所 Kenya, Karatina / Thunguri精製所
品種 K7, Ruiru11, SL28, SL34
標高  1,600m
精製方法 Washed
焙煎度 浅煎り

 

​2.抽出データ

豆の量 12.0g
挽き目 Varia VS3:13.8
湯量 200g
湯温 90℃前後のイメージ(適宜調整)
抽出時間 計3分30秒ほど

 

3.レビュー

一投目からこの豆の個性が驚くほど鮮やかに現れました。

  • ​フレーバー:赤いベリー系果実を思わせる、爽やかな甘酸っぱさ。
  • 味:ケニア特有のジューシーな印象が強く、明るい気分になれる一杯。
  • 質感:理想としていた「トロミ」もしっかりと感じられる。
  • 総合:非常にバランスが良く、現時点での完成度が極めて高い。

 

4.考察と次回への展望

 今回の13.8という設定は、ケニアのWashedらしいクリーンさと、エアロプレスが得意とする「質感」の抽出が上手に合致したように感じます。

​ ケニアはしっかりした酸味と果実感を特徴とすることが多いため、前回のブラジルよりもやや粗めからスタートしました。初回でこれほどのバランスに出会えるとは思いませんでしたが、ここを基準に、もう少し酸を際立たせるのか、あるいはさらに甘さを追うのか。この豆の「さらなる奥」があるのかどうか、もう少し探ってみたいと思います。

 

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​<前回の検証(ブラジル Santa Clara編)はこちら>

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【レビュー】【エアロプレス】【ブラックコーヒー】ついに辿り着いたスイートスポット。挽き目13.6と13.7の極微細な境界線

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 イタリア旅行中に一目惚れでマキネッタを購入したmoka_latteです。

 ブラジル Santa Clara 農園の探究、ついに完結編です。

​ 前回の検証(挽き目13.5)では、素晴らしい質感と甘みを引き出せた一方で、冷めた時の「粉っぽさ」が課題として残りました。この微かなノイズを消し去り、この豆の良さだけを100%引き出すため、今回は13.6と13.7という、極限の微調整に挑みました。

 

​1.豆の基本情報

焙煎所 LIGHT UP COFFEE
産地 ブラジル Santa Clara 農園
品種 Yellow Topazio
精製方法 Natural
焙煎度 浅煎り

 

​2.抽出データ:最終検証

​基本レシピを遵守し、挽き目の差だけにフォーカスしました。

豆の量 12.0g
挽き目 Varia VS3:13.6 vs 13.7
湯量 / 時間 200g / 計3分30秒

 

​3.レビュー:13.6と13.7の比較

 狙い通り、どちらの設定も13.5で課題だった「冷めてきた時の粉っぽさ」が見事に改善されていました。リンゴのような酸、じんわりとした甘さ、ココアのフレーバーは維持されていて、非常に完成度の高い一杯でした。
​ その上で、両者の僅かな違いを記録します。

  • 挽き目 13.6:こちらの方が、僅かに酸味を綺麗に感じられた。よりクリーンで洗練された印象。
  • 挽き目 13.7:こちらの方が、僅かに甘さを有意に感じられた。ふくよかな味わいでホッとする印象。

両者は本当に僅かな差であり、ここは完全に「好みの領域」と言えるでしょう。

 

​4.考察:この豆のスイートスポット

 今回のブラジル Santa Clara 農園における探究の結果、この豆の魅力を最大限に引き出す「スイートスポット」に辿り着きました。

​ 優しい酸味としっかりした甘さを特徴に持つこの豆は、午後にホッとしたい時に最適です。その日の気分やシーンに合わせて、私は以下のように使い分けるイメージを持ちました。

  • ​13.6(よりクリーン):仕事中の合間など、優しく綺麗な酸味でリフレッシュしたい時に。
  • ​13.7(甘み有意):一日の仕事を終えて帰宅した後、静かに一息つきつつコーヒーの甘みに身を委ねたい時に。

​ グラインダーのコンディション変化から始まった今回の検証でしたが、最終的にはこの豆のスイートスポットに辿り着くことができました。また同じ豆を使っても、0.1刻みの微調整が、生活の異なるシーンに彩りを与えてくれる僅かな違いを演出できることを確認することができました。これこそが、一人分を丁寧に淹れるエアロプレスの醍醐味だと改めて感じました。

​ 環境が変わっても、自分にとっての「最高の贅沢」をデザインする旅は続きます。

 

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